カニシュカ1世 金貨(スタテール)
- その他
- 中央アジア
- アフガニスタンまたはパキスタン
- 2世紀前半
- クシャン朝
- 金
- 7.97g
インド北西部を支配したクシャン朝4代目の王カニシュカ(127_150年頃)は仏教に厚く帰依し、ガンダーラを中心に仏教美術が隆盛した。クシャン朝は最盛期のローマ帝国と後漢帝国のあいだで、積極的に交易を行い、良質の金貨を鋳造した。このコインの表にはギリシャ文字で「諸王の王、カニシュカ」と記され、拝火壇に手をかざす王の姿が刻まれている。コインの裏には、神々の像が示されることが多いが、ここには仏陀(ΒΟΔΔΟと刻銘)の姿が刻まれている。仏陀は大きな光背をもち、右手は掌を正面に向けた施無畏印、左手は大衣の端をとる。その姿は当時作られたガンダーラの仏陀立像に類似している。同タイプの金貨は世界でも数例しか知られていない。