コイン

前7世紀にトルコ西部のリュディア王国で金属製コインが発行されると、その有効性から、たちまち東西世界に広まり、力ある王朝は自分たちのコインを発行するようになりました。シルクロード各地でも、王朝や王が代わるたびに発行され、なかには一人で幾種類ものコインを発行した王もいて、栄華盛衰の数だけ種類があると言えます。
その美しさ故にコレクションの対象となっているコインですが、時代を駆け抜けた支配者たちの肖像、名前、称号などを知る重要な歴史資料であると同時に、その重量、裏面に刻出された神像は交易圏、文化交流の足跡を示す貴重な資料でもあります。
当館は3,000枚を超えるコインを所蔵していますが、なかには、いまのところ世界で1点しか見つかっていない貴重かつ美術史上重要な金貨もあります。