仏陀立像
- 彫刻
- 中央アジア
- パキスタン、ガンダーラ
- 2‐3世紀
- クシャン朝
- 灰色片岩
- 高94.0cm
仏陀は装身具をいっさい廃し、髪を結い上げて修行者・聖者の姿をとる。両肩に背負う円盤(頭光背)は、無量光の世界すなわち神々の世界の存在であることを象徴している。左膝がわずかに踏み出したような「遊脚」表現はギリシア美術に由来するもので、ガンダーラでは仏陀、菩薩、神格だけに用いられた。両手を欠くが、右手は鉢を、左手は衣の一端を持っていたと思われる。ガンダーラの仏陀立像は、外出時の姿である両肩を僧衣に包む着衣法・通肩(つうけん)で表されるのが常である。