シルクロードコレクション
東アジア

伝法隆寺古裂 赤地格子花文錦

  • 工芸
  • 東アジア
  • 日本
  • 7世紀
  • 飛鳥
  • 縦9.0cm 横31.5cm

法隆寺に伝わった赤地の錦を蜀江錦(しょっこうにしき)と呼び、その一つに赤地格子花文錦がある。格子の帯内に小珠文とし、中央には花文(蓮華)、四方には唐草文などを配している。こうした作例は古くは漢代の頃より見られ、法隆寺関連の裂に多く、後の正倉院御物の染織品では見られない。本作はその内容から法隆寺・蜀江大幡の一部と考えられ、灌頂幡(法隆寺献納宝物・東京国立博物館蔵)の周辺を荘厳されていたのであろう。なお、蜀は中国・四川省あたりの地域のことで、錦の産地としても知られていた。長江上流の一つでもある蜀江は糸染にも適した所で錦江と称されるほどであった。鮮やかな赤色が特徴であることから蜀紅錦と明記されることもある。