淡褐色の透明ガラスの碗。厚めに宙吹きし、円形砥石(グラインダー)で切子装飾を施している。6段の円文は大変深く、シャープである。正倉院に納められている「白瑠璃碗」と同タイプの碗であり、「白瑠璃碗」と同様にまったく風化の影響をうけていない。今日まで、土中に埋められることなく、人々の手から手へ伝えられてきたので、製作当時の姿を今にとどめている。