シルクロードコレクション
中央アジア

壁画 人物(供養者)像

  • 彫刻
  • 中央アジア
  • 中国、ターリシュラク
  • 7‐8世紀
  • 漆喰彩色
  • 高29.0cm 幅44.0cm

上段に連珠文の縁取りと開花文を組み合わせた装飾文を描き、下段に供養者を三人配している。連珠装飾はササン朝の美術で愛用され、ソグド(現ウズベキスタン・タジキスタン)へ伝播し、それらの織物がキジルの壁画(第60窟)にも描写されている。本作の連珠文はキジルやササン朝の連珠文の系譜に属する。下段の供養者の向かって右端の者は、大衣を偏袒右肩に纏った僧侶で、他の二人は遊牧民風のチュニックを着た在家供養者であろう。後者は腰に幾つかの腰佩垂飾を着け、手には蓮のようなものを持つ。破損が著しいので、目鼻立ちなどは不鮮明であるが、顔や輪郭線を赤色(朱)で描いていることから、ホータン地方の作であることが判明する。オーレル・スタインがホータン北のターリシュラクの仏寺址で発掘した坐仏の台座に描かれていた左半分である。