平山郁夫絵画作品
シルクロード

敦煌石窟九層楼

  • シルクロード
  • 平山 郁夫
  • 2007
  • 紙本彩色
  • 80.3×116.7cm

オレンジ色の夕映えのなかに朱色の楼閣がそびえている。東西文化が行き交う都市として栄えた敦煌は、約1000年にわたり492の石窟が造られてきた。延載2年(695)に創建され、大雄宝殿(第96窟)と呼ばれる九層楼は敦煌莫高窟のシンボルとも言うべき建物で、内部には初唐の大仏が安置されている。当初は石窟の前に四層の木造建築を付随させた形であったが、時代と共に改築し、中華民国の時に現在の形となった。画家は1979年にはじめて敦煌を訪れて以来、幾度となく同地を訪問し、敦煌を題材とした作品を数多く描き、その保護活動にも尽力した。本作は画家がその最晩年に描いた敦煌である。