楼蘭遺跡を行く・月
- シルクロード
- 平山 郁夫
- 2005
- 紙本彩色
- 171.0×364.0cm
晩年の平山郁夫はシルクロードの砂漠を往来するラクダのキャラバンを描く「大シルクロード・シリーズ」を相次いで発表した。それは画家が終生、描き続けてきたシルクロード絵画の集大成ともいうべき連作であった。シリーズでは群青色とオレンジ色を基調とした作品が対になり、夜と朝、月と太陽、東と西が対比されている。駱駝のキャラバンは、楼蘭、アフガニスタン、インドのジャイサルメール、シリアのパルミラ遺跡を背景に東から西へと進んでいく。隊商の向かう先には、ユーラシア大陸の果て、トルコ、エフェソスそして、シルクロードの終着地点、ローマがある。平山郁夫はこのシリーズを当館のオープンのころから描き始め、亡くなる2009年の最後の院展まで描き続け、その総数は12点、2階の大展示室に展示されている(展示作品は順次入替)。