菩薩像 敦煌石窟 57窟 南壁
- シルクロード
- 平山 郁夫
- 1999
- 紙本彩色(スケッチ)
- 93.5×33.7cm
敦煌莫高窟57窟(初唐期)の南壁中央に描かれた仏説法図の脇侍菩薩像のスケッチである。本像は優しく穏やかな表情で、なだらかな体つきをしており、重心をわずかに右足にかけ、腰を軽く曲げた三屈法の姿勢をとる。頭部には宝冠・耳飾、体部には胸飾・瓔珞・腕釧・臂釧などの装身具を付けている。宝冠の中央には化仏が見られることから、おそらく「観音菩薩像」であろう。本作はNHKの特別番組収録(1999年)に訪れた際のスケッチでもあり、敦煌で一番美しいと称される菩薩像を用紙二枚分で表している。壁画に描かれた像の雰囲気をよく捉えた作品ともいえる。