カミシュと呼ばれる葦を束ねた芯に、藁か、葦の細片を混ぜた粗土で肉付けし、獣毛を加えた細土を塗り、さらに胡粉または白土で仕上げて隈取り、彩色している。髻(もとどり)を大きくし、髪を正面中央から髪が左右に広がっていくような表現は、西域の菩薩像に多くみられる典型的な髪型である。天山南路の要衝クチャの西、キジル千仏洞に近いクムトラ千仏洞から、第1回大谷探検隊によって将来され、久しく大谷家に伝存してきたもの。