シリア中部の隊商都市パルミラは1ー3世紀にかけて、ローマ帝国とアルケサス朝パルティアとの中継貿易によって大いに繁栄した。パルミラでは墓室の壁面に作った棚に棺を納め、故人の肖像彫刻でふさいでいた。ヴェールを被り、豪華な装身具を身につけて正装した貴婦人の姿が、在りし日のパルミラの栄華をしのばせまる。背後にアラム語で「アビアーの娘アクマー、悲しきかな」と刻まれている。