アトラス像
- 彫刻
- 中央アジア
- パキスタン、ガンダーラ
- 2‐3世紀
- クシャン朝
- 灰色片岩
- 高35.2cm
仏塔の基壇面では、腰を下ろし、立ち膝で横に並んで坐り、肩で仏塔を担ぐ人物像が多く見られる。彼らはギリシア神話の中に表れる、遙かなる西方に位置し、天空を支える巨人アトラスにたとえられている。彼らについては、現在においてもその正式な名称、役割などは分かっていない。短めの腰巻きをつけて、筋肉が隆起した姿であり、手には楯を持つ。腕の下には翼をうかがうことができ、翼はエロスやヘルメスなど死者の魂を運ぶ者に付けられていることから、彼もまた経典には登場しない死者の魂を彼岸に導く者たちであろう。