シルクロードコレクション
中央アジア

壁画断片 仏陀坐像

  • 彫刻
  • 中央アジア
  • 中国、ダンダンウィリク
  • 7‐8世紀
  • 漆喰彩色
  • 高19.8cm 幅15.7cm

西域南道のホータン近郊にあるダンダンウイリクの仏教寺院遺跡から出土したと考えられる壁画断片。本作は小さな如来坐像であり、印相はおそらく禅定印を結ぶ。頭光と肌の色は白色とし、髪は黒色、着衣は朱色とする。視線を右下方に向けており、その先にはおそらく大きな如来像があったのだろう。眦線が顔の輪郭に越えて流し眼のように表されるのは、ダンダンウイリクから出土する断片からもうかがうことができ、こうした表現は古代インド壁画や、バーミヤン石窟壁画・620窟(消失)に描かれた絵画表現からも見ることができる。仏教遺跡には小さな仏たちで壁画などを埋め尽くす、いわゆる「千仏図」と呼ばれるものがあり、本作もそうした場面の断片と考えられる。