小泉富士
- 日本
- 平山 郁夫
- 2005
- 紙本彩色
- 80.3×116.7cm
雲一つない紺碧の空に、かがやくばかりの雪に覆われた富士山の姿。当館のある甲斐小泉の富士を表しているが、当時の記録をたどると、山麓の風景は甲斐小泉の三分一湧水の展望台からみた景色と判るが、山頂付近の描写は、鳴沢村と河口湖でみた富士山のスケッチがもとになっているという。一見、富士山を写生したように見える《小泉富士》だが、さまざまな角度から見た霊峰のもっとも美しい姿が一つにまとめ上げられている。平山郁夫の作品の多くは、膨大なスケッチを元に、そこから取捨選択したイメージを組み合わせたものが多く、これもそうした作品のひとつといえるだろう。