シルクロードコレクション
ガラス

尖底小壺

  • 北メソポタミア
  • 前15世紀
  • ガラス
  • 高12.5㎝ 幅6.4㎝

ガラスは、発明当初はビーズなどの装身具に使われ、容器として用いられるようになるのは紀元前15世紀頃のことである。

最も古いガラスの容器は「コア技法」によってつくられた。これは粘土などを芯(コア)にして、熱したガラスを溶かしながら巻きつけ、ガラスが固まった後に粘土を掻き出すことで器を成形する技法で、この手法で制作されたガラス容器は、「コアガラス」と呼ばれる。ガラス器の表面は、溶かして紐状になった色ガラスを幾重にも巻き付け、それを熱いうちに引掻いてジグザグ文を作る羽状文様で装飾される。

本作はコアガラスのなかでも最も古い作例のひとつで、世界でも類例の少ない作品である。非常に手間の掛かる作業で作られ、中に高価な香油をいれた。現在は表面が劣化しているが、白色や黄色などのガラス紐を巻き付けた装飾文が確認される。