朧月夜 ブルーモスク イスタンブール
- シルクロード
- 平山 郁夫
- 2007
- 紙本彩色
- 80.3×116.7cm
画家の言葉
イスタンブールは黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡に臨んでおり、時に海から生じた霧が街を包む。そんな夜の雰囲気に魅せられ、朧月夜の群青の中にブルーモスク(描かれている建物はイエニジャミー)の大円屋根、そびえ立つミナレット(尖塔)を幻想的に描いた。この町は、ヨーロッパとアジアの接点にして、まさしく東西文明の交流点ともいうべき都市である。前2000年ヒッタイト文明が登場し、ギリシアの植民地支配の時代を経て東ローマ帝国時代にはビザンチン文化の中心となり、15世紀以降はイスラーム文化が根づくことになる。じつに多様な文明文化がこの地を舞台に花開き、移りかわっていった。