樹下瞑想太子像頭部
- 彫刻
- 中央アジア
- パキスタン、ガンダーラ
- 2‐3世紀
- クシャン朝
- 灰色片岩
- 高38.0cm
頭光背を付けて、眉間には白毫があり、巧みなターバン冠飾を戴く王侯形(クシャトリア)の菩薩像である。本作はその類例から見て、太子が耕された田の虫を鳥がついばむ弱肉強食の光景に衝撃を受け、瞑想に浸ったという「樹下観耕」の場面であろう。眼も半眼であることから瞑想中と考えられる。この出来事は、太子が求道・成道へ向かいはじめるきっかけとなった場面であり、仏伝の一つである。本作のような礼拝対象と思しき単独像も幾つか見ることができる。ちなみに、本像のターバンの飾り結びの正面には獅子の頭が飾られる。