平山郁夫絵画作品
日本の風景

浄土幻想 宇治平等院

  • 日本
  • 平山 郁夫
  • 2004
  • 紙本彩色
  • 112.0×162.0cm

京都・宇治にある平等院鳳凰堂は、日本の仏教美術を代表する寺院である。本寺は平安時代の1053年(天喜元年)、関白・藤原頼通によって建立され、この世に阿弥陀仏の世界である「極楽浄土」を現した寺院としても知られている。堂内に安置された阿弥陀如来坐像は、当時、頼通に仕えた平定家の日記『定家朝臣記』によると、仏師・定朝の作として知られ、それを囲んで荘厳される雲中供養菩薩像も定朝を中心とする工房で制作されたようである。

本作は「平成の洛中洛外図」の脇侍として描かれた作品である。中央に描かれた阿弥陀如来坐像は、今まさに鳳凰堂から出現したかのように描かれ、それを取り囲む雲中供養菩薩像も阿弥陀仏を讃嘆するかのようである。