神峰黄山雲海図
- シルクロード
- 平山 郁夫
- 2006
- 紙本彩色
- 171.0×728.0cm
中国の安徽省南部にそびえる黄山は、総面積1200平方キロメートルに及び、大小の七十二の峰々からなる。この地は一年間のうち三分の二は、霧と雲海が出現する神秘的な光景となり、中国では「仙境」とも呼ばれている。そのため古来より漢詩や山水画の題材となるなど、多くの文人たちを魅了してきた場所でもある。中国美術においても大きな影響を与えたことから、1990年に自然と文化の複合遺産として世界遺産に登録されている。
平山郁夫は、中国を代表する山岳の一つ黄山を、横幅7メートルを超える大作として描いた。この地の三大絶景といわれる「奇岩」(断崖絶壁の岩山)、「奇松」(岩の割れ目に根を張る松)、そして「雲海」が現れた神秘的な一瞬を、画家は格調高く画中に収めている。