菩薩像頭部
- 彫刻
- 中央アジア
- インド、マトゥラー
- 2‐3世紀
- クシャン朝
- 黄斑点赤色砂岩
- 高36.0cm
インド中北部・ヤムナ川右岸にあるマトゥラーは、先史時代から聖地としても知られ、クシャーン朝ではガンダーラに少し遅れて仏像制作がはじまった。当地においては、シクリ産の黄斑点赤色砂岩を材質として用いており、ガンダーラとは多くの点で異なる独自の仏像が誕生した。
本作は、ガンダーラ仏と同じようにターバンを戴き、眉間に白毫(びゃくごう/ウールナー)をもつ菩薩像頭部であるが、ここでは口髭がなく、面貌は肉感的である。また、ガンダーラ仏のターバンに飾られるような金細工や貴石などは見られない。本作のターバンの前立ち飾りについては、インドの霊鳥・ガルーダをモチーフにしている。